「A社は100万円、B社は50万円か……。デザインも悪くないし、安いB社にお願いしようかな。」
ちょっと待ってください。その「50万円」の内訳、本当に理解していますか?
安易な価格競争で選ぶと、後で「追加請求」の嵐に見舞われることになりますよ。
Web制作会社選びは、「結婚相手選び」に似ています。
見た目(デザイン)や年収(見積もり額)だけで選ぶと、性格(運用フェーズ)の不一致で必ず破綻します。
この記事では、現役ディレクターの視点から、本当に信頼できる「パートナー企業」を見極めるための3つのチェックポイントを解説します。
1. なぜ「価格差」が生まれるのか?見積もりの罠
同じ要件で見積もりを取っても、会社によって金額が倍以上違うことは珍しくありません。
しかし、安いには安いなりの「理由」があります。多くの場合、それは「見えない工程の省略」です。
プロの視点(Logic):削られやすい「最重要工程」
格安の見積もりで真っ先に削られるのが、実はWeb制作の肝である「ディレクション費」と「要件定義費」です。
「どんなサイトを作るか」を決める設計図(要件定義書)の作成には、膨大な工数がかかります。ここを安く済ませようとする業者は、ヒアリングをせず、ただ言われたままのものしか作りません。結果、使い物にならないサイトが出来上がります。
また、意外な落とし穴が「インフラ周りの設定」です。
例えば、新規制作の場合、独自ドメインのメールアドレスを持っていないケースが多いですが、お問い合わせフォームの実装にはメール設定が必須です。
「メールアカウントの作成や転送設定は誰がやるの?」
安い見積もりには、こうした細かい作業費が含まれておらず、「それは御社でやってください(または追加料金です)」と後からトラブルになるケースが多発します。
2. 打ち合わせで見極める!良い会社とダメな会社の違い
見積書の数字以上に重要なのが、担当ディレクターとのコミュニケーションです。
打ち合わせの際、以下の3点をチェックしてください。
① 「専門用語」で煙に巻いていないか?
「DNSの切り替えに伴うプロパゲーションと、SPFレコードの記述が既存のメールサーバーとコンフリクトするリスクがあるため、実装は推奨しません。」
……こんな風に、専門用語を多用して説明してくる担当者は危険です。
CHECKこれはコミュニケーションが取れているのではなく、「知識でマウントを取って一方通行になっている」だけです。
優秀なディレクターは、相手の話を深く聞き、要望をまとめた上で、誰にでもわかる言葉で「解決策」を提示します。
② デメリットを語れる「NOマン」か?
こちらの要望に対して「できます!」「やります!」と即答するイエスマンには要注意です。
プロの視点(Logic)
プロなら、クライアントが間違った方向に進もうとした時、必ず止めに入ります。
【実際の提案例】
「いきなり自社ECサイトを作りたい」という相談に対し、アクセス数などから勝算が低いと判断した場合……
「今は自社サイトを作るべきではありません。まずは母数の多いAmazonや楽天への出品から始めましょう」
このように、目先の制作費を捨ててでも、「あなたの利益」を優先して提案してくれる相手こそが信用できます。
③ デザインの「理由」を語れるか?
「かっこいいから」「今風だから」でデザインを決める会社は二流です。 プロは、一つひとつのデザインに明確な意図を持っています。
CHECK
例えば、こちらの要望に対して、プロは以下のように「論理的」に返答します。
1. SEOの視点(集客) 「英語だけの見出しはスタイリッシュですが、検索エンジンに内容が伝わりにくいです。デザイン性を保ちつつ、小さく日本語も併記しましょう」
2. UIの視点(使いやすさ) 「スマホで閲覧する際、リンク同士が近いと『誤クリック』が起きます。あえて余白(マージン)を広く取り、指で押しやすい設計にしました」
このように、全ての色や形に「ユーザー目線の根拠(ロジック)」があるかを確認してください
3. 「神は細部に宿る」プロの気配り
良いディレクターは、ユーザーの「使い勝手」を徹底的に想像します。 例えば、LINEの友達追加ボタンひとつとってもそうです。
プロの提案: 「PCで見ている場合は、スマホで読み取れるようにQRコードを表示させましょう。スマホで見ている場合は、アプリが直接起動するようにリンクを設定しましょう」
言われなければ気づかないような細部にまで、「ユーザーへの配慮」を行き届かせることができるか。 ここにプロとアマチュアの決定的な差が出ます。
4. この一言で本性がわかる。「魔法のキラークエスチョン」
最終決定をする前に、担当者にこう聞いてみてください。
「このプロジェクトにおける、最大のリスクは何だと思いますか?」
この質問に対し、「リスクはありません、完璧にやります!」と答える会社は信用できません。 Web制作にトラブルは付き物だからです。
逆に、 「スケジュールがタイトなので、原稿作成が遅れると公開に間に合いません」 「競合が強いため、広告費をかけないと初期の流入は見込めません」
このように、ネガティブな情報(リスク)を正直に共有し、対策を提案してくれる相手こそが、真のパートナーです。
5. まとめ:失敗しない選び方の要点
この記事の重要ポイントを振り返ります。
SUMMARY
- 見積もりの安さには裏がある: 「要件定義」や「メール設定」など、見えない必須工程が削られていないか確認する。
- イエスマンはパートナーではない: 専門用語で煙に巻かず、リスク(デメリット)を正直に話してくれる人を選ぶ。
- デザインには理由が必要: 「かっこいい」だけでなく、SEO(集客)やUI(誤クリック防止)といった「ビジネス上の根拠」があるか問いただす。
最後に、私の本音をお伝えします。 Web制作は「買い物(浪費)」ではなく「投資」です。
もしあなたが社員を一人雇うとしたら、給料の安さだけで選びますか? 「この人と一緒に働きたいか?」「困難を一緒に乗り越えてくれるか?」 その直感や相性を大切にするはずです。制作会社選びも全く同じです。
機能や金額が横並びで迷ったときは、「この担当者となら、公開後の運用も二人三脚で走れそうか?」を自問自答してください。
それでも迷ったら、まずは我々に相談してください。 「作る」だけでなく「勝つ」ための戦略を、一緒に考えましょう。

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